パーマ

それは 昔々の 私が保母をやっていたときの お話です。
私は髪の毛が癖毛で、パーマとかかけると すぐクリクリになってしまうので あまりかけたことがありませんでした。

でも、そのときは 一大発起 して パーマに挑戦してみました。
「いちば〜んゆるくかけて!」そういって かけたのですが・・・やっぱりクルクルでした。

でも、意外や意外 他の先生達の反応はみんなお世辞でしょうがまあまあでした。
内心 失敗したと思っていたわたしは、 (ほっ!今は カーリーヘアーとか流行っているからな・・・) と、安心していました。

子供たちが みんな元気に登園してきました。
朝の体操の時間です。
「わー せんせい かわった・・・」「せんせい かっわいい〜」「せんせい ステキー!」
私は、だんだんウキウキしてきました。
だんだん だんだん まるで山口百恵にでもなったように 子供たちの間を ニコニコとあるきました。
「そおおっ?そおおっ?ありがと!ありがと!」 そういって、みんなの小さい肩に手を添えて 歩きました。

するとその時、 「せんせー ベートーベンみたいだね

「べ・べ・ベ〜ト〜ベン〜?」

    ジャジャジャ ジャ〜ン !

それ以来 私は パーマをかけようとは 思わなくなりました。
みんなのほめ言葉や あのときの事を思うと“裸の王様 ”の話を 思い浮かべます。


そして、あの時私に気付かせてくれた あの子、そう 若山正男くんを今でも懐かしく思い出します。
「まさおく〜ん!元気にしてる?もしこれを読んでいたら 遊びにきて〜!
せんせい ちっともおこってなんかいないよ〜!愛してるよ〜 」

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