ホタルの研究日記 |
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蛍観察時の注意も読んで下さい
山日記の前には6月末ごろ蛍(ほたる)が飛び交います。ゲンジボタルですが、数は少なくても 大きな光でとても幻想的で感動します。
ところが もっと感動的なのはその飛ぶホタルが いなくなってからです。飛ぶホタルの姿が見えなくなって20日ほどたつと、草むらの中で小さな まるでお線香に火がついたような大きさの青白い光がひかりだすのです。それに気がついたのは 2000年の夏休みにはいった 7月のある日のことでした。
夜 カブトムシを探しに川のほうに行くと 草むらの中で ホタルが光っています。もうとっくに ホタルはいなくなったのに 弱ったホタルが 草むらの中で光っているのかなと思い 懐中電灯で 照らしてみました。
すると それは、今まで見たこともない虫だったのです。でも 光り方はホタルそのもの・・・私たちは すぐに 昆虫図鑑で、この虫の正体を調べてみました 。
すると どうやら、それはホタルの幼虫らしいのです。成虫が交尾をして 卵を産み23日ほどで孵化して幼虫になり、そしてその幼虫も成虫と同じように光るとありました。これだ〜!!!わたしたちは びっくりするやら感動するやら・・・
そして 驚いたことにその光は日に日に数が増し 数百匹は増えたとおもいます。それも 11月ころまで 光っていたのです。ホタルと言えば 光るのは夏と思っていたのですが、なんと秋まで・・・
その年から 私たちのホタル研究が はじまったのです。このページは 山日記の前の川に棲むホタルくんたちと 山日記オーナー夫妻の交流と研究をしるした日記です。
1.ホタルの種類について
はじめは ゲンジボタルだけと思っていましたが、草むらの中で秋まで光っているのはクロマドボタル(秋ボタルとかツチボタルとも言う)という種類だということが わかりました。そして 2002年7月にはヘイケボタルも発見。山日記の前には三種類棲んでいるという事がわかりました。(写真は 追々入れてゆきます)
クロマドボタルの幼虫です。 餌はウスカワマイマイです。 葉っぱの後ろなどに隠れている 小さいウスカワマイマイを見つけて食べているようです。 クロマドボタルはまだ一部の研究者にしか知られていない 未開拓な蛍です。 そして 成虫になると 光らないといわれています。光るのは幼虫の間だけです。6月頃 (光らない)成虫が卵を産み その卵が7月頃孵化して幼虫になり 小さな光を発光し始めます。幼虫がだんだん大きくなり 9月頃は体長2センチくらいになり 光も大きく強くなって 見やすくなります。 では何故交尾の相手をみつける目的でない幼虫が光るのかということになります。 秋のころ(9月頃)特にいっぱい光るので 秋ボタルとかも言われるようです。 土の上で光るので ツチボタルと呼ぶ人もいるようです。 |
6/24日撮影 餌は川の流れの中に棲むカワニナです。 ゲンジボタルは生まれた場所から200メートル圏内くらいを フワフワと飛び廻るそうです。 もしその範囲を越えて迷い込んだり 捕獲されて別のところに連れていかれたりすると パニックになって 強烈な光で明滅するのです。この光方では 癒し効果がなくなるそうです。 また生まれたところのカワニナ以外(輸入物)などを食べさせると 成虫に育つ割合や光の強さなどが 激減すると ある記事に書いてありました。 昔はたくさんいたので 捕まえては 家の中で飛ばせたとかいいますが 今は やっと一部の地域に 自然にいる昆虫です。 良いお嫁さん お婿さんに巡り合って 赤ちゃんをたくさん作って 次の年も また次の年も蛍が 飛び交う環境でいられるよう 皆で応援して見守りましょう。
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7/12日撮影 餌は田んぼや沼など 泥水のようなところに棲むモノアラガイを食べます。 短い間隔で光る青白い光です。 |
2002年76/27に塩原ひかる会主催の講演会にいってきました。どうぶつ奇想天外でおなじみの須田孫七がお見えになり
わたしも この写真を持参して 見ていただいたところ クロマドボタルの幼虫にまちがいなとお墨付きを
いただきました。
※その他 飛んできたホタルのような昆虫。やや
オバボタル? 体長10ミリくらい 昼 庭に飛んできたので撮影した。 まだ よくわからないが 草の露をなめているらしい。 |
2.ホタルの見える時期
・ゲンジボタル(山日記の前は6月20日頃〜7月はじめまで)
・ヘイケボタル(7月はじめ〜7月末ごろまで)
ゲンジやヘイケホタルの幼虫は水中で カワニナやモノアラガイを捕食して 冬をすごします。そしてヤマブキの花が咲く頃の暖かい夜 川の中からエッサカエッサカ光を放ちながら土手をはいあがって川岸の土の中にもぐり さなぎになるそうです。(どんな光景が広がるのか楽しみです。)
そして 一ヶ月ほどたつと さなぎが成虫になります。成虫になったホタルは 交尾という大事なしごとがあります。そのため、気に入った相手を探すため 発光しあいながら飛び回るというわけです。オスは空中高く飛びまわり、メスは草むらで自分と波長のあった相手を互いにひかりでよびあいます。ですから この大事なイベントの時期に「蛍狩り」なんてものをやってしまうと、子孫を残せなくなってしまうのです。(ホタルは そっと静かに見守りましょう。)こうして 卵をうむと 1〜2週間で死んでしまうそうです。産卵は一匹が約500〜1000個の卵をコケや葉の裏等に産み付けるそうです。産み付けられた卵は30日程で孵化し自力で水面に落ち水中生活をするそうです。
・クロマドボタル (6月中旬〜10月末ごろまで)
マドボタル属には アキマドボタル・オオマドボタル・クロマドボタルなどがいるそうです。餌はウスカワマイマイ(かたつむりに似た殻が一ミリくらいの虫)で、人家周辺、山に接した水田や畑の周辺、小河川に沿った草地など身近な人里環境に生息するそうです。秋まで光る山日記の前に棲むほたるは、この一種です。これから このクロマドボタルについてわかった事を 皆さんにお知らせして 一緒に考えてゆきましょう。
2002年7月12日近くの田んぼでヘイケボタルがいっぱい光っているのを発見!
2002年9月29日今年一番クロマドボタルが光った!木登りして光るのも沢山いて まるでクリスマスツリー
2002年10月6日クロマドボタルが光る様子の写真撮影に成功!(下)
2002年10月6日 PM9:00
露出1.8 シャッタースピード 開放で 5分
クロマドボタルの幼虫が暗闇で歩くところを撮影
写真1
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写真2
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写真3
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■■□.ホタルの見える日、見えない日■■□
これまでの観察の結果 次のような結果がわかってきました。観察を希望の方 参考になさってください。
クロマドボタルの見える日
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クロマドボタルの見えにくい日
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夜の気温が16℃以上ある 暖かい夜 | 夜の気温10℃以下の寒い夜 |
雨の後などで 夜露などがあったほうがいい。 | 大雨だと、葉っぱの下に隠れているのか出てこない。 |
月がなく 真っ暗な夜 | 月がこうこうと明るくて ホタルの光が見えにくい夜は光らない。 |
秋雨前線が日本海にあると 暖かくて見えやすい。 | 低気圧が北海道の東側に行くと 那須は風が強く ホタル出てこない。 |
風がなく 暖かい夜 | 風が強いと 小さな幼虫は危険を感じてか出てこない。 |
定期的に適度な雨が降り 湿度がある。 | 雨の降らない日が続き カラカラだと(捕食のカタツムリがいないからか)でてこない。 |
3.ホタル観察の心構え
・ホタルは明るいのを嫌います。ですから、懐中電灯の光をあてたり車のライトで照らしたり、もちろんフラッシュもやめましょう。
・ホタルはおたがいの光りで仲間を呼び合い 気に入った相手を探して交尾をします。その期間はたったの1週間程度です。ですから、飛んでいるホタル君たちを「蛍狩り」なんてしてしまうと、次の子孫を残す事が出来ません。昔のいっぱいいた時代とはちがいます。捕ってみたい気持ちはわかりますが、どうか持って帰るのはやめましょう。もし 元気のないホタル君を捕まえたとしても そっと草むらに返してあげてください。その子孫がまた来年かえってきてくれますから・・・
・ゲンジボタルやクロマドボタルの観察場所は私有地です。他の宿泊施設にご宿泊のお客様は 勝手に入り込んで蛍見学をすることは お断りいたします。山日記では オーナーがご案内して観察しておりますので 黙って入り 真っ暗な川沿いで 川に落ちたり怪我をしてはこまります。また 蛍を捕獲して持ち帰ったりすることは 絶対おやめくださるよう お願い致します。
4.ゲンジボタルの幼虫とカワニナの里親をやってみました!詳しくはここから・・・。